野菜の話〜総合保健福祉センター「あゆみだより」(令和元年8月)
なぜ野菜を食べないといけないのでしょうか?
8月31日は、野菜の日です。皆さんは、なぜ野菜を食べないといけないのかご存知でしょうか。
町民の皆さんに問い掛けてみたところ「健康のため」、「太らないため」、「血糖値を上げないため」といった回答が以前より増えてきました。
もちろん、その答えも正解です。しかし、野菜を食べなければならない大切な理由はほかにもあります。
野菜に含まれる栄養素には、私たちが肉や魚などから摂取しているタンパク質を、血管などの細胞に作り変えるという重要な働きをしているものがあります。
それらの栄養素は、血管や血液をたくさん作り、体を成長させる上で必要不可欠なものであり、体の成長が著しい子どもたちにとっては大切な栄養素です。
また、野菜に含まれるビタミン類は、血管内部の炎症(動脈硬化)を修復する働きを持っています。野菜を食べることで血管の細胞膜が酸化するのを抑制することができ、細胞の老化を防ぐとともに動脈硬化の予防も期待されています。若々しい血管を保つためにも野菜を食べることは必要です。
これらの栄養素は人間が自ら生み出すことができないため、野菜などを食べるなどして外部から摂取するしかありません。
野菜が持つ植物化学成分(ファイトケミカル)とは
野菜をはじめとする植物は紫外線などから身を守るために、抗酸化作用を持つ化合物を自ら生み出しています。これは植物化学成分(ファイトケミカル)と呼ばれており、ポリフェノールやカロテノイドといった種類の抗酸化物質が1万種以上存在しています。
人間が呼吸により体内に取り込んだ酸素の数パーセントは、人体にとって過剰な活性酸素となり、体内の細胞に悪影響を及ぼしてしまいます。
ポリフェノールなどが持つ抗酸化力は、体内の活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、老化やがん、心血管疾患などのリスクを低下させることが知られています。
植物化学成分(ファイトケミカル)を含む主な食品
植物化学成分(ファイトケミカル)は野菜の色素や香り、辛み、あくなどに含まれています。代表的な植物化学成分と、それを含む食品をご紹介します。8月31日の野菜の日を前に、ご家族などで野菜を食べることについて考えてみましょう。
ポリフェノール(フェノール基 を2個以上含む構造を持つ成分の総称)
- ケルセチン(タマネギなど)
- カテキン(お茶など)
- アントシアニン(ブルベリーや 赤ワインなど)
- クロロゲン酸(トマト、ピーマン、ニンジン、コーヒーなど)
カロテノイド(赤やオレンジ、黄色の色素で緑黄色野菜に多く含まれている)
- β‐カロテン(ニンジン、カボチャなど)
- リコピン(トマトなど)
- ルテイン(ホウレンソウ、ブロッコリーなど)
イオウ化合物(ワサビやタマネ ギの辛み成分や刺激臭成分に含まれる)
- 硫化アリル(ニラ、ニンニク、ネギなど)
- イソチオシアン酸類(キャベツ、ワサビなど)
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