熱中症について〜総合保健福祉センター「あゆみだより」(2022年8月)
熱中症とは?
気温や湿度が高い環境にいるうちに、体調が悪くなることを熱中症といいます。重症化すると命に関わることもあるため、十分に注意する必要があります。
熱中症による救急搬送状況
令和3年6月から9月までに、全国で約46,000人、熊本県でも約1,000人が熱中症によって救急搬送されました。熊本県は、人口10万人当たりの救急搬送人員が、鹿児島県、鳥取県、高知県に次いで、全国で4番目に多くなっています。
救急搬送される人は約60%が65歳以上の高齢者で、約40%が自宅等の住居(敷地内全ての場所を含む。)で発生しています。
熱中症が起こる仕組み
私たち人間の体の中では、普段から「熱」が作られています。体を動かしていなくても、心臓や脳は常に働いており、食事をすれば胃や腸も活発に働くため、絶えず「熱」が発生しています。
その熱は、皮膚から外に逃がしたり、汗をかいたりして体の中にたまらないようになっており、その働きを「体温調節機能」といいます。
この体温調節機能が上手く働かなくなったとき、熱中症の症状が現れることがあります。
熱中症を引き起こす要因
熱中症は、「環境」と「体の状態」の2つの要因が重なったときに起こりやすくなると言われています。
1.環境
- 気温や湿度が高い。
- 風が弱い。
- 日差しが強い。
2.体の状態
- 激しい運動などをした。
- 暑さに慣れていない。
- 体調が悪い。
高齢者、乳幼児、持病がある人は特に注意!
【高齢者】
体内に含まれる水分量が約50%となり、成人期と比較して少なくなります。また、のどの渇きも感じにくくなるため、脱水を起こし、熱中症を起こす危険性が高くなります。
【乳幼児】
体温調節機能が未熟で、身長も低く地面に近いため、アスファルトの照り返しなどによる熱の影響を受けやすくなります。また、暑さやのどの渇きに自分で対応することは難しいため、熱中症を起こしやすくなります。
【持病がある人】
病気によっては体温調節機能を乱す原因となることがあります。また、内服薬によっては、汗をかくことを抑制したり、排尿を促したりする作用があるため、熱中症の原因となります。
熱中症を予防しよう!
1.暑さを避ける
- 扇風機やエアコンで温度や湿度を調節する。
- 外では日傘や帽子を着用する。
- 吸湿性・速乾性のある通気性のよい衣服を着用する。
2.のどが渇いていなくても、こまめに水分を補給する
- コップ1杯(150〜200ml)の水や麦茶を、1日8〜10回にわけてこまめに飲む。
- カフェインが含まれるコーヒーや緑茶、糖分が含まれる清涼飲料水は水分補給には適していないため、要注意!
3.日頃から体調管理を行う
- 適度な運動で暑さに備えた体づくりをする。
- 決まった時間に体温測定などをして、毎日健康チェックを行う。
4.屋外での散歩やランニング、人との距離をとることができる場合はマスクをはずす
1人ひとりが熱中症予防対策を実践することはもちろん、近くにいる人とお互い声をかけ合い、お互いの体調を気遣うことも熱中症予防につながります。まだまだ暑い日が続きます。熱中症には十分ご注意ください。
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