歯周病を予防しましょう〜総合保健福祉センター「あゆみだより」(2023年1月)
あけましておめでとうございます。年末年始楽しく過ごされていますか?
おいしくご飯を食べて、健康に過ごしていくために大切なことの1つに、「お口の健康」があります。今回は、口腔疾患の中で、身体に様々な影響を及ぼすといわれている「歯周病」についてお話しします。
歯周病とは?
歯周病とは、細菌感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気で、結果的に歯を失う原因になります。
歯周病の原因となるのは、「歯垢」と呼ばれるものです。歯磨きが不十分な場所に付着する黄白色の粘着物で、「細菌」のかたまりです。取り除かなければ固くなり、「歯石」になります。こうなると日々のブラッシングでは落とせません。この「歯垢」「歯石」の中や周囲に細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。歯周病は、歯を失うリスクだけでなく、全身に様々な影響を及ぼします。
歯周病が全身に及ぼす影響
歯周病によって口の中に起こった炎症は、歯肉の血管から全身に入り、病気を引き起こしたり、悪化させる原因となります。
糖尿病、血管の動脈硬化が原因となる心筋梗塞や脳梗塞、肥満、早産や低出生体重児などにも関与するといわれています。
また、口の中の細菌が、誤嚥により気管支から肺までたどり着き、「誤嚥性肺炎」を起こすこともあります。これは、高齢者の死亡につながる場合もあり、注意が必要です。高齢者が歯周病やむし歯によって歯を失うことで、噛んだり飲み込んだりする力が弱くなり、食生活に支障をきたして栄養状態が悪くなって、筋肉量の低下や、要介護となるリスクが高まることも分かっています。
歯周病のセルフチェック
思い当たる症状をチェックしてみましょう。
- 口臭を指摘された、自分で気になる
- 朝起きたら、口の中がネバネバする
- 歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
- 歯肉が赤く腫れてきた
- 歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
- 歯肉を押すと血や膿が出る
- 歯と歯の間に物が詰まりやすい
- 歯が浮いたような気がする
- 歯並びが変わった気がする
- 歯が揺れているよう気がする
- チェックが1〜3個の場合→歯周病の可能性有。軽度のうちに治療を受けましょう
- チェックが4〜5個以上の場合→中等度以上に歯周病が進行しいている可能性有。早期に歯周病の治療を受けましょう。
- チェックがない→無症状でも歯周病が進行する可能性はあるため、年に1回は歯科検診を受けましょう。
歯周病の予防とケア
歯周病は、予防と治療が大切です。歯周病の原因である「歯垢」をためない、増やさないことが基本となります。
- 毎日、毎食後のブラッシング
- 歯科医院での定期的な歯科検診と歯石除去、治療
他にも、「だらだら食べをしない(朝昼晩の3食をしっかり食べる)」、「甘いものを食べる頻度を減らす」、「禁煙する」など、生活習慣の影響も強く受けますので、気を付けてみてください。
歯周病を予防して、今年も1年健康に過ごしましょう。
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