○甲佐町防犯カメラの適正な設置及び運用に関する条例

令和4年9月13日

甲佐町条例第22号

(目的)

第1条 この条例は、防犯カメラの適正な設置と運用に関して、当該防犯カメラの設置者が遵守すべき義務等を定めることで、町民等の権利利益の保護を図り、もって町民等が安全で安心して生活することのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 防犯カメラ 犯罪の予防及び抑止を目的として、特定の場所に継続的に設置されるカメラ装置で、画像表示装置、録画装置その他関連機器(以下「防犯カメラ機器」という。)で構成されるもの(設置されることで、犯罪抑止の効果を有するものを含む。)をいう。

(2) 画像 防犯カメラにより録画され、画像表示装置に映し出される画像であって、当該画像から特定の個人を識別することができるものをいう。

(3) 画像データ 防犯カメラにより撮影され、又は録画された画像を防犯カメラ機器又は記録媒体等に保存したものをいう。

(4) 防犯カメラ設置者 防犯カメラを特定の場所に継続的に設置する者(単に防犯カメラを設置するだけの者ではなく、防犯カメラ設置にかかる責任者的立場にある者。)をいう。

(5) 公共の場所 道路、公園、広場、河川その他規則で定める公共の用に供する場所をいう。

(6) 町民等 町内に居住し、勤務し、在学し、若しくは滞在し、又は町内を通過する者をいう。

(基本原則)

第3条 防犯カメラ設置者(以下「設置者」という。)は、町民等が、その容貌、姿態又は生活をみだりに撮影されない自由、いわゆる肖像権を有することに鑑みて、その目的達成に必要な範囲内で防犯カメラの設置及び運用に関し、適切な措置を講じなければならない。

(防犯カメラ設置運用基準の届出等)

第4条 次に掲げる者が、公共の場所に向けて防犯カメラを設置しようとするときは、防犯カメラの設置目的、防犯カメラにより撮影しようとする公共の場所の区域(以下「撮影対象区域」という。)その他規則で定める事項を記載した防犯カメラの設置及び運用に関する基準(以下「設置運用基準」という。)を定め、規則で定めるところにより、町長にこれを届け出なければならない。

(1) 

(2) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者

(3) 自治会その他の地域的な共同活動を行う団体

(4) その他犯罪の予防等に関し、自主的な活動を行う個人、団体等

(5) 前各号にかかる者のほか、町長が必要と認めたもの

2 前項の規定による届け出をした設置者は、当該届け出の内容を変更し、又は設置している防犯カメラを撤廃するときは、規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。

(設置者の責務)

第5条 前条第1項各号に掲げる設置者は、公共の場所に防犯カメラを設置するに際しては、次に掲げる措置を講じなければならない。

(1) 防犯カメラの設置目的を明確にすること。

(2) 防犯カメラの撮影対象区域を明確にし、かつ、私的空間が映り込まないよう角度を調整する等必要最小限の範囲とすること。この場合において、特定の住宅が映る場合は、事前に当該住宅の所有者又は居住者等から承諾を得ること。

(3) 防犯カメラの撮影対象区域内の見やすい場所に、防犯カメラを設置している旨、設置者の名称を表示すること。

(4) 設置者は、撮影対象区域に防犯カメラの管理及び運用に関する責任者(以下「管理責任者」という。)を置かなければならない。ただし、自らが、管理責任者となることができるものとする。

(5) 前号の規定において、複数の撮影対象区域に防犯カメラを設置する場合は、同一の管理責任者を置くことができる。

(委託する場合の措置)

第6条 設置者は、防犯カメラの管理及び運用を第三者に委託するときは、受託者に対し、個人情報の保護及び本条例に規定する事項を遵守するよう求めるものとする。

(適用除外)

第7条 設置者のうち、次号に掲げるものについては、第4条及び第5条の規定は適用しない。

(1) 国及び熊本県の機関(捜査機関を含む)

(2) 自宅に設置する個人及び事業所に設置する事業者

(画像等の適正な管理)

第8条 設置者及び管理責任者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 設置運用基準を遵守し、防犯カメラの適正な管理及び運用を行うこと。

(2) 画像及び画像データ(以下「画像等」という。)から知り得た町民等の情報を他に漏らし、又は不当な目的のために利用若しくは取得してはならない。その職を退いた後も同様とする。

(3) 次に掲げる場合を除き、画像等を防犯カメラの設置目的以外に利用し、又は第三者に提供してはならない。

 画像から識別される特定の個人の同意がある場合

 法令に基づき、国又は地方公共団体が設置した捜査機関から犯罪捜査の目的により文書による要請を受けた場合

 犯罪の疑いのある画像等を発見した場合で、捜査機関に通報する必要があると判断した場合

 町民等の生命、身体又は財産に対する危険な事態が発生し、又は発生しようとしている場合で、それを避けるため緊急やむを得ないと認められる場合

(4) 規則で定める画像の保存期間を経過した画像データは、速やかに消去、上書きにより確実に復元することができないようにすること。

(5) 画像データを保存する場合には、不必要な複写を行わず、併せて当該画像を加工してはならない。

(6) 画像データの漏えい、滅失、き損、流出、改ざんの防止その他設置者及び管理責任者以外の持ち出しを禁止する等、適正な管理のために必要な措置を講ずること。

(7) 防犯カメラの設置及び運用並びに画像の取扱いに関する苦情があったときは、それを適切かつ迅速に処理するよう努め、経緯を記録しておくこと。

2 前項第3号の規定にかかわらず、町が設置者となる場合における画像等の利用又は提供については、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)及び甲佐町個人情報保護法施行条例(令和5年甲佐町条例第2号。以下「個人情報保護法施行条例」という。)の定めるところによる。

3 設置者及び管理責任者は、第1項第3号の規定により第三者へ画像データを提供したときは、規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。

(令5条例3・一部改正)

(画像データの開示)

第9条 設置者及び管理責任者は、町民等から自己が識別できる画像データの開示を求められたときは、当該町民等に、必要と認められる範囲内で、かつ、合理的な方法により、当該画像データを開示するよう配慮するものとする。

2 前項の規定にかかわらず、町が設置者となる場合における画像データの開示については、個人情報保護法及び個人情報保護法施行条例の定めるところによる。

(令5条例3・一部改正)

(報告又は勧告)

第10条 町長は、必要があると認めるときは、設置者及び管理責任者に対し、防犯カメラの設置又は運用状況について報告させることができる。

2 町長は、前項の規定による報告において、第4条第5条及び第8条の規定に違反する行為があると認めるときは、違反した者(以下「違反者」という。)に対し、当該違反行為の中止その他違反を是正するために必要な措置をとるべき旨の勧告を行うことができる。

(公表)

第11条 町長は、違反者が正当な理由なく、前条に規定する勧告に係る措置をとらなかったときは、当該違反者に意見を述べる機会を与えた上で、規則に定めるところにより、その事実を公表することができる。

(質問等)

第12条 町長は、第10条に規定する報告又は勧告若しくは前条の規定による違反事実の公表を行うときは、必要に応じ、当該職員をして関係人に質問させ、又は関係人から報告を徴することができる。

(苦情等の申出)

第13条 町民等は、設置者が設置した防犯カメラの設置及び運用並びに画像の取扱いに関し、意見、要望又は苦情(以下「苦情等」という。)があるときは、その旨を町長に申し出ることができる。

2 町長は、前項に規定する苦情等の申し出を受けたときは、当該設置者及び管理責任者に対して、速やかに対応を促し、町民等との間に生じた苦情等について適切な措置を講じさせるものとする。

(運用状況の公表)

第14条 町長は、毎年1回以上、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を公表するものとする。

(1) 第4条の規定による届出の状況

(2) 第10条に規定する勧告の状況

(3) 第13条第1項の規定による苦情等の申出の状況

(雑則)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和4年10月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に公共の場所に向けて防犯カメラを設置している者で、第4条第1項各号のいずれかに該当するものは、施行日から起算して3月以内までに、当該防犯カメラの設置運用基準を定め、これを町長に届け出なければならない。

3 第4条第2項及び第5条から第13条までの規定は、前項の規定による届け出義務のある者(設置者)について準用する。この場合において、第4条第2項中「前項」とあるのは「附則第2項」と、第5条中「前条第1項各号に掲げる設置者は、公共の場所に防犯カメラを設置するに際しては」とあるのは「附則第2項に掲げる設置者は、公共の場所に防犯カメラを設置している場合は」と、又、同条第5号中「防犯カメラを設置する場合は」とあるのは「防犯カメラを設置している場合は」と、第10条中「及び第8条の規定に」とあるのは「、第8条及び附則第2項の規定に」と読み替えるものとする。

(令和5年条例第3号)

この条例は、デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律(令和3年法律第37号)附則第1条第7号に掲げる規定(同法第51条の規定に限る。)の施行の日から施行する。

甲佐町防犯カメラの適正な設置及び運用に関する条例

令和4年9月13日 条例第22号

(令和5年4月1日施行)