甲佐町の文化財探訪「甲佐町の養蚕(ようさん)について3」〜令和4年3月号
更新日:2022年3月1日
「甲佐町の養蚕(ようさん)について3」
甲佐町の養蚕は当初は春蚕(はるご)のみの飼育でしたが、明治二十八年に秋蚕が始まったとの記述が残っています。また、大正年間に晩秋蚕が加わり、昭和には晩晩秋蚕も加わりました。
蚕の成長過程には5段階があり、その過程に名前がつけられ、期間もある程度決まっていました。1・2齢期(れいき)がそれぞれ3〜4日間あり、この間は地域の責任者が管理し、3齢期に各地区の養蚕農家に渡されていたということです。その間は1ヶ月位でしょうか。
このように年4回程繰り返し行われていたようです。養蚕はただ蚕を育て出荷するのではなく、毎年2月から3月にかけて養蚕の年間計画が話し合われ、4月8日の馬頭観音の日には、甲佐地区の各集落から約40名の代表者と養蚕組合長が出席する神事が甲佐神社で執り行われるなど、生産者同士の結びつきが強かったようです。しかし、昭和40年代に入り養蚕に陰りが出始めるようになるのと前後して、徐々に人工飼料育に変わっていきました。
そして生活スタイルの変化により、養蚕農家も衰退の波に吞み込まれていきます。甲佐にもかつて多くの養蚕農家があり、活況を呈していた時代がありました。
「甲佐町民俗資料館」(宮内地区社会教育センター内)では、蚕の説明や道具を展示しています。甲佐における養蚕の歴史を見ることができます。
文責・甲佐町文化財保護委員 石坂 妙(吉田区)
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