甲佐町の文化財探訪「新たに板碑を確認 その2」〜令和7年5月号
更新日:2025年5月1日
「新たに板碑を確認 その2」
令和6年2月27日、熊本県文化財審議員である前川清一先生に同行頂き、八丁区の個人宅敷地内にある十一面観音堂の近の石造物群について調査しました。その結果について2回に分けて紹介させて頂きます。
現地はコンクリート張りの池として利用されていたようです。池の周りには「灯篭1基」、「板碑4基」、「五輪塔の各部材(風空輪4基、火輪6基、水輪1基)」があります。
今回は、板碑の4基のうち残りの2基と石灯篭について紹介します。
【キリーク種字板碑】
石質は砂岩で、地上高24cm、最大幅22.5cm、最大厚19cmです。
板碑の上部のみが地表に出ており、月輪の中にキリーク(阿弥陀如来)の種字(梵字)が刻まれています。下部はコンクリートが張られおり、銘文等の有無は確認できません。
板碑の形態などから、戦国時代の十六世紀半ば頃の建立と推測されます。
【ア種字板碑】
石質は砂岩で、地上高62cm、最大幅30cm、最大厚41cmです。
上部の月輪の中にア(大日如来)の種字(梵字)が刻まれています。種字の下部は剥離しており、銘文などは確認できません。建立時期は、戦国時代の十六世紀半ばから十六世紀後半頃と推測されます。
【灯篭】
石室は凝灰岩です。地上高175cmで、塔身部各面には、正面:奉寄進 右側面:明治九年子五月建 左側面:世話人 小山田仙七・小山田善吉 裏面:小山田遊船敬書と記されています。
文責・甲佐町文化財保護委員 北里 義友(津志田区)
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