甲佐町の文化財探訪 「幸野の清水(しみず)さんと大杉」〜平成29年12月号
更新日:2017年12月1日

「幸野の清水(しみず)さんと大杉」
下横田から龍野小学校へ向かって240mほど進むと、坂道になるすぐ右側に大きな杉の木が聳(そび)えています。その根元には、地域の人たちが幸野の「清水(出水)さん」と呼んで、親しんでいる湧水地(ゆうすいち)があります。
「清水さん」は、かつては幸野の人たちの洗濯などの洗い場や、子ども達の水遊びの場として利活用されてきました。池は横幅260cm、奥行き90cmの大きさがあり、現在は水深40cm位の水を湛(たた)えています。すぐ横には大きな貯水池もあり、耳を澄ますと湧水の音が聞こえてきます。この湧水池がいつ頃からあったのかは定かではありません。明治22年、丘の上に「凌雲小学校(現 龍野小学校)」が開校された頃は、小学校に水が無かったので、狭い坂道を下りて、「清水さん」まで水を汲(く)みに来ていたそうです。
また、「清水さん」に隣接している大杉は、今から30年程前に樹齢が700年以上と聞いていましたので、樹齢が750年以上とされる、甲佐町の国指定天然記念物「麻生原のキンモクセイ」に匹敵(ひってき)する樹齢のようです。幹周りは560cmを測り、1m以上の横根が湧水池の背面(はいめん)に壁のように伸びている様子は異様な雰囲気(ふんいき)を醸(かも)し出しています。
「清水さん」は、現在でも当番の人々によって毎月清掃され、年2回は幸野地区が総出できれいに清掃されています。新年の寄合時には御神酒(おみき)上げもされ、大切に守られています。
文責・甲佐町文化財保護委員 本田 荘一(上早川2区)
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