甲佐町の文化財探訪「小豆(あずき)まつり」〜令和元年10月号
更新日:2019年10月1日
「小豆(あずき)まつり」
広報こうさ6月号で取上げた宮内地区の「鉾(ほこ)まつり」の約2週間後の8月3日(土)に、宮内地区の人々によって福城寺(美里町)で「小豆(あずき)まつり」が行われました。この祭りも古くから地域の風習や人々との絆(きずな)をつなぐものとして、今日まで大事に守り受け継がれてきました。 なぜ「小豆」が主役なのか、不思議で仕方ありませんでしたが、今回の村人の話から少し分かったような気がしました。宮内地区の坂谷区・谷内区・広瀬区は山間部にあり、耕作地が僅(わず)かしかないように見受けられます。この辺りでは古くから焼畑農業が行われていたそうです。植林前後の林や雑木林の木や草を刈り、上から下へと火を付け、一面を焼野原にし、小豆・甘しょ・里芋・麦などが栽培されていました。そこで収穫された「小豆」が、お寺への「お礼」として奉納されたのです。当時は今と違って徒歩(とほ)での奉納ですから、「小豆」が一番運びやすかったらしい、とのことでした。 この焼畑農業は、昭和30年代後半までに姿を消していき、高度経済成長時には奉納の形も「小豆」から「モノ」へと変化しましたが、現在も当時の精神がしっかりと受け継がれています。先祖から受け継いだものを次世代へ、この風習はこれからも守り受け継がれて欲しいと思いました。
文責・甲佐町文化財保護委員 石坂 妙 (吉田区)
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