甲佐町の文化財探訪「四堂崎(しどうざき)の経塚(きょうづか)」〜令和3年6月号
更新日:2021年5月20日
「四堂崎(しどうざき)の経塚(きょうづか)」
今回は、糸田区の四堂崎にある経塚について書いてみようと思います。
この経塚は四堂崎の阿弥陀堂の境内にある高さ約80cmの石碑です。
経塚とは「経典(きょうてん)を主体として埋納(まいのう)した遺跡」のことで、この経塚の近くに建つ文化財標柱には
「宝暦四年(1754)、あらゆる災いから免れる為に祐春和尚(ゆうしゅんおしょう)の経典のうち、村の人々の分六十部を阿弥陀堂の隣に埋めたという。現在も十月十五日は供養のお経が唱えられるという」
と書いてあります。
広報こうさ令和3年3月号でも述べたとおり、祐春和尚は江戸時代の徳の高いお坊さんで、ここ糸田の四堂崎での教えは末代まで語り伝えられていたそうです。
江戸時代の糸田区はたびたび緑川の水害に襲われるなどあらゆる災いに見舞われていました。そのため、人々の生活は疲弊しており、それを打開する為に村人がとった行動が、祐春和尚が書いた経典を千部書き写すことだったと考えられます。村の人々は人数分の経典を経塚に収め、この苦境を乗り切れるように祈りをささげたものと思われます。
文責・甲佐町文化財保護委員 石坂 妙(吉田区)
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