H29.4月号 甲佐町の文化財探訪 「園田神社 通称『こがみ(古神)さん』の由来」
更新日:2017年2月23日
戦国時代の武将・甲斐宗運が「戦の神様」として崇めた山出の大武神社から、直線距離にして三百メートルほど北東に行った所に小さな祠があります。それもつい見逃してしまいそうな場所にです。
その昔、菊池一族の流れから広大な領地を所有していた井芹一党が何故この地に?と不思議に思われるかも知れませんが、時代を経て徐々に力の衰えが目立つようになり次第に領地を奪われ、安住の地を求めて甲佐の糸田に移り住んだのだそうです。
そんな中で起きたのが、嶋津氏への内通者を疑う甲斐宗運による井芹一族の皆殺しでした。それは、宗運の早とちりだったことがわかりますが、後のまつりです。その糸田の地から現在の山出(園田)へ移ったのは、もしかしたら宗運の償いだったのでは、とつい思ってしまいます。
その無念さを今日までも忘れず、毎年三月十五日には供養が行われています。
この小さな祠、何度か改修されながらも、昔日の思いを抱く人たちの寄所として現在まで脈々と受け継がれています。
表からでは窺い知れない歴史の一部が、もしかしたら見えるかも知れませんよ。
(文責 甲佐町文化財保護委員 石坂 妙(吉田区))
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