甲佐町の文化財探訪「中山横穴群(なかやまよこあなぐん)」〜令和3年5月号
更新日:2021年5月1日
「中山横穴群」
甲佐町には今から1200〜1600年前の古墳時代後期に造られた横穴群として、船津東前横穴群(町指定文化財)、下豊内横穴群、そして中山横穴群が存在します。
今回は、中山横穴群について紹介します。
この横穴群は、中山区を東西に流れる錦郷川(にしきごうがわ)に沿って西方へ下った所にある威竜橋(いりゅうばし)と道免橋(どうめんばし)間の右側に見える山の崖にあり、斜面上に数個の横穴群を見ることが出来ます。
横穴は阿蘇溶結凝灰岩(あそようけつぎょうがん)の崖に掘り込まれ、その構造は高さ1.5m、奥行2〜3mで正面奥と左右両側に遺体が安置される三屍床(さんししょう)の造りとなっているお墓です。
近くを通る今吉野甲佐線道路工事に伴う発掘調査(平成17年〜平成20年)では、旧石器時代の石槍や縄文土器、鏃(やじり)なども出土していることから、先人達は一万年以上前からこの地で連綿と生活していたようです。
地元の方の話では、「子供の頃横穴で遊んでいて古い貝殻をよく見た。今でも川にはシジミが居たりする」とのことです。
更に、同様の横穴群は中山横穴群から約600m北西に所在する熊本市南区城南町の崖でも見られており、この錦郷川流域にはかなり多くの人々が住んでいたことが窺(うかが)え、想像するだけで古代ロマンの世界へ誘われます。
文責・甲佐町文化財保護委員 北里 義友 (津志田区)
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