甲佐町の文化財探訪「緑川第一の水神、立岩神社」〜令和5年3月号
更新日:2023年3月1日
「緑川第一の水神、立岩神社」
安津橋の東の山裾にこんもりとした立岩の杜が見えます。神社に近づいて鳥居から杜の神社を見るとその昔、緑川が二手に流れていた頃を想像できるような大きな岩そして湿地となっている沼があります。
薄暗い境内には大きな岩の下に神殿があり、由来を示す掲示板があります。そこには祭神は水分大神、岡象女神と記してあります。
本町には町を貫流する緑川沿いに多くの水神様が祀られていますが、立岩神社は緑川第一の水神と由緒書きにあります。
江戸時代の早川厳島神社の神官、渡邉玄察(わたなべげんさつ)は、
「立岩森(タテイハモリ)甲佐川筋此當りに水神頭(スヰジンカシラ)にて侯前々彼(カノ)大岩下深淵(シンエン)にて侯ひつる由語傅侯たてがみと云所は立岩になぞらへたてがんと申侯ひつらんと察侯」
と記しています。
大きい岩を男岩(高さ約10m、横7.6m)、少し小さい岩は女岩(高さ約7m横3.9m)と呼ばれています。
この立岩神社の裏手は県道152号稲尾野甲佐線です。切通(きりとおし)になっていて、昭和39年(1964)まで熊延鉄道が通っていました。その切通工事は大正12年(1923)に行われています。100年前のことです。また切通の法面(のりめん)に新井手用水があります。文政7年(1824)木原寿八郎の尽力により完成した用水路です。200年ほど前のことです。
文責・甲佐町教育委員会 赤星 眞照(有安区)
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