甲佐町の文化財探訪 「大谷観音堂」〜平成30年10月号
更新日:2018年10月1日
「大谷観音堂」
大谷観音堂は大谷集落の東部に位置し、狭い参道の奥に石段が見えます。その石段を44段登ったところに、石造の祠(ほこら)があり、その中に石家神(いしやがみ)が祀(まつ)ってあります。さらに12段登ったところに観音堂があります。孟宗竹に囲まれた清閑な場所です。
お堂の中には高さ70cmの観音像が祀ってあります。この観音像の古事由来については、「誰も知らない」と記してあります。明治以前には、この平坦地の東部に安置されていましたが、集落で火事が多発したため、集落全体を見守ってもらえるように高所に移設されたと伝えられています。同時期に石家神も移されたようで、祠の裏には明治39年建造と刻まれています。なお、本堂が造られたのは昭和34年ごろというのが確認されています。その後、観音像は劣化や損傷が激しくなり、平成7年に修復され、同時にお堂も改築されています。
観音堂の祭りは1月18日で、まず石家神に参ってから観音様に参拝するそうです。昔は参拝者も多く、賽銭(さいせん)泥棒まで出る程にぎわっていたそうです。最近は高齢化が進み、56段の石段を登るのは難儀のようです。しかし、大谷の歴史的文化遺産として、毎月集落の人によりきれいに掃除され、大切に守り継がれています。
文責・甲佐町文化財保護委員 本田 荘一(上早川2区)
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