甲佐町の文化財探訪 「大谷の横井戸と三浦清一」〜平成31年1月号
更新日:2019年1月1日
「大谷の横井戸と三浦清一」
上早川一区の小字大谷に、横井戸があります。横井戸脇の階段を上ると、大谷観音堂へ至ります。
横井戸のある場所には、以前は民家がありましたが、現在は更地で草が茂っています。地元ではそこを「新山(しんやま)」と呼んでいます。
井戸の入口は石積で、上方がアーチ型になっています。その大きさは、高さが1.8m、幅が1mで、奥行きは5mくらいあります。井戸の奥の方はL字型になっているそうですが、中の水深が50cm以上あるようで、中に入って確認するのは少しためらっています。
横井戸は大変珍しいと云われています。この井戸をだれが、いつ掘ったのかは定かではありません。
また、この横井戸の脇にあった民家(現在は更地)で生まれた三浦清一氏の生涯を、藤坂信子氏が「羊の闘い」という本に著(あらわ)しています。その本によると、三浦清一氏は明治28年に「新山」で生まれています。父がアメリカ人で母が日本人のため、いじめに合いながらも龍野小学校を優秀な成績で卒業し、中学濟々黌へと進んでいます。その後、牧師となり、石川啄木の妹の光子と結婚しています。この「羊の闘い」は図書館にもあります。
現在でも、三浦清一氏が幼少のころ使っていたであろう横井戸の前を、時々近所の人が草を刈っておられます。
いつまでも大事に保存されていくことと思っています。
文責・甲佐町文化財保護委員 本田 荘一(上早川二区)
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