甲佐町の文化財探訪「薬王寺の涅槃絵図(ねはんえず)」〜令和2年2月号
更新日:2020年2月1日
「薬王寺の涅槃絵図(ねはんえず)」
早川公民館より90メートル程東に所在する薬王寺は、昔風に言えば「女性の駆け込み寺」といった方がぴったり合う寺を思わせます。この寺は昭和30年代までは2人の尼さんによって守られていたそうですが、それ以降50年ほどは無人の状態が続き、心ある人達によって細々と存続してきたといいます。
寺の本尊は薬師如来(やくしにょらい)で、今も大切に安置されています。また、寺宝(じほう)涅槃絵図もあり、この絵図は毎年釈迦が亡くなった2月15日から一週間ほど御開帳(ごかいちょう)されているそうです。私は甲佐町内にも涅槃絵図があったことに驚きました。この涅槃絵図は2人の尼さんがいた頃のものらしく、御開帳の頃は多くの人たちが集う場所でもあったのでしょう。また、当時の事を覚えている方は、子ども達の遊びの相手もしてもらえて身近なお寺だったということです。
薬王寺には甲佐町の指定文化財「薬王寺の宝篋印塔(ほうきょういんとう)」もあり、今回あらためて寺の歴史の一端に触れることが出来たのではないかと思いました。そして堂内の壁一面に墨書された約500人の名前を見て、地域に身近な寺だったことがわかりました。
今年も2月15日には、涅槃絵図の御開帳があります。是非地元の涅槃絵図をみてみませんか。
文責・甲佐町文化財保護委員 石坂 妙 (吉田区)
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