甲佐町の文化財探訪「甲佐の民話 津志田のなまず塚」〜令和2年4月号
更新日:2020年4月1日
「甲佐の民話 津志田のなまず塚」
むかし、白旗の山出(やまいで)地区にとても美しい娘さんがいました。村の若者達は「自分のお嫁さんにしたい」と、押しかけて行ったが全く相手にされず、若者達は諦(あきら)めかけていました。ところが、『娘のところに向こう岸から男が遊びに来ている。』と言う噂(うわさ)がたち始めました。そこで若者達はお盆の夜に待ち伏せし、娘のところに来た男に暴力をふるいました。その男は暗闇にまぎれて息絶え絶えに逃げ去りました。 夜が明け、道に血の跡が点々と続いていて、その血は緑川対岸の津志田まで続いており、川の淵に大きななまずが死んでいました。娘のところに通っていた男はなまずだったようです。その翌日から山出地区の馬が次々に死んでいき、大騒ぎになりました。若者達は『これはなまずの祟り(たたり)だ!』と思い、なまずを手厚く葬り(ほうむり)祠(ほこら)を建てて、霊を慰め(なぐさめ)祀(まつ)ったのです。それからは山出地区の馬も死ななくなったそうです。そして、人々はその祠を「なまず塚」とよぶようになり、馬や牛の神様、また水神さんとして大切に祀られています。
これは、甲佐町の民話「なまず塚」の内容ですが、この「なまず塚」は、津志田の五色山の麓に有り、ご近所の方のご厚意により大切に維持・管理されております。「なまず塚」は私有地内にありますので、見学の際には家の方に了解を得てください。
尚、甲佐町にはほかにも様々な民話が有り、それらをまとめた絵本もあります。役場の図書館で一読されてはいかがでしょうか。
文責・甲佐町文化財保護委員 北里 義友 (津志田区)
カテゴリ内 他の記事
- 2025年4月21日 「陣ノ内城跡(じんのうちじょうあと)」国史跡指定が正式決定
- 2025年4月17日 史跡陣ノ内城跡のリーフレットを改定しました
- 2025年4月14日 史跡陣ノ内城跡のアクセス・駐車場
- 2025年4月9日 甲佐町の文化財探訪「宝暦4年の小山田文書をみてみると」〜令和6...
- 2025年4月9日 甲佐町の文化財探訪「甲佐町の板碑(逆修碑)について」〜令和5年1...