フレイル予防に「貯筋」をして元気に過ごしましょう〜総合保健福祉センター「あゆみだより」(2022年10月)
フレイルとは
「フレイル」とは、2014年に日本老年医学会が「虚弱」を意味する英語の「フレイルティ(frailty)」を日本語訳として提唱した概念です。健康な状態と要介護状態となる中間に位置し、身体的機能や認知機能の低下がみられる状態のことを指します。
フレイルには、体重減少や筋力低下等の身体的な変化だけでなく、気力の低下等の精神的な変化、引きこもりなど社会的な変化も含まれます。75歳以上の人の多くはフレイルの段階を経て要介護状態になりますが、フレイルの段階で早めに対処すれば、健康な状態に戻る可能性があると考えられています。
フレイル予防の要は「筋肉」
フレイルの危険因子に「サルコペニア」があります。「サルコペニア」は、「加齢とともに筋肉が落ち、筋力や身体機能が低下する状態」を指します。その筋肉の役割をご存じでしょうか?筋肉は、私たちが生きていくために欠かすことのできない、さまざまな活動を担っています。筋肉量が65%を下回ってくると日常生活活動に支障を感じはじめます。
筋肉の役割とは
筋肉の役割は、主に7つあり「体を動かし、体を安定させる」、「衝撃の吸収、血管・臓器の保護」、「ポンプ機能」、「熱をつくり、代謝をあげる」、「免疫力を上げる」、「ホルモン産生」、「水分を蓄える」です。その働きは、体を動かすというだけではなく、体を守る、基礎代謝をあげる、血液やリンパの循環を促す等私たちが生きていくために必要な役割を担っています。
筋量を維持しフレイルを予防するためのポイント
1つ目は、「持病のコントロール」です。糖尿病や高血圧、腎臓病、心臓病、呼吸器疾患、整形疾患等の慢性疾患がある場合は、まず持病のコントロールをすることが必要です。治療がうまくいっていないとフレイル状態を悪化させてしまう可能性があるので、まずはしっかり治療することが大事です。
2つ目は、「運動と栄養」です。筋力が低下している状態で、いきなり運動を始めると転倒や骨折につながる可能性があります。座ったままでできる体操やウオーキング等から始めましょう。また、栄養も大事です。食事は活力の源です。バランスのとれた食事を毎食しっかり摂りましょう。
3つ目は、「社会参加」です。趣味やボランティア活動等、積極的に外出することも大切です。地域での活動への参加等自分にあった活動を見つけて参加してみましょう。
訪問指導を受けてみましょう
健康診断の結果や体力測定等で、将来フレイル状態になる可能性があると判定された方には、理学療法士や管理栄養士が訪問し個人にあった方法をお伝えしています。日常生活にはまだまだ困らない状態でも、危険が潜んでいることがあります。この機会を活用してください。
50歳を過ぎたころから筋量の低下が始まると言われています。健康でいきいきと過ごすために、貯筋生活を始めてみましょう。
カテゴリ内 他の記事
- 2024年9月30日 令和6年度甲佐町インフルエンザ・新型コロナワクチン定期予防接...
- 2024年8月20日 夏の疲れを残さず秋バテを防ぎましょう〜総合保健福祉センター「...
- 2024年6月4日 熱中症に気をつけましょう〜総合保健福祉センター「健康だより」...
- 2024年4月12日 令和6年度 母子健康手帳交付・乳幼児健康診査・予防接種などに...
- 2024年4月10日 年に1回の町の健診を受けて、自分の体の状態を確認しましょう!